はじめに
ものづくり補助金の申請において、事業計画は採択率を左右する最重要な要素です。しかし、何から手をつけてよいか迷う経営者も少なくありません。本記事では、採択率を上げるために押さえておきたい5つのポイントを解説します。
採択される事業計画の5つのポイント
①課題の明確化
なぜ重要か:
- 審査員は、企業が直面している具体的な課題と、それを解決するための計画が合理的であるかを評価します
具体例:
- 「現状:生産効率が低下している」「課題:機械の老朽化により不良品率が高い」
記載のコツ:
- 課題を箇条書きで整理し、それがどのように解決されるかを明確に示す
②目標の具体性
なぜ重要か:
- 漠然とした目標では、計画の実現可能性が伝わりません
具体例:
- 「3年間で売上を150%増加」「不良率を5%未満に削減」
記載のコツ:
- 具体的な数値を用い、進捗が測定できるようにする
③事業の独自性
なぜ重要か:
- 他社との差別化が明確でなければ、革新性や補助金の意義が評価されません
具体例:
- 「国内初の低コストAI分析システムを活用」「競合他社にない無人化ラインの導入」
記載のコツ:
- 市場分析や競合調査を行い、自社の優位性を強調する
④将来展望の明示
なぜ重要か:
- 補助金活用後に、事業がどのように成長し、地域経済や社会に貢献するかを示す必要があります
具体例:
- 「新規顧客層の開拓により、地域雇用を3年間で10%拡大」
記載のコツ:
- 市場データや業界予測を引用して、現実性のある展望を描く
⑤数字とデータの活用
なぜ重要か:
- 感覚的な内容だけでは説得力が弱く、審査員に信頼されません
具体例:
- 「市場規模:年商50億円のセグメントで30%のシェアを目指す」
記載のコツ:
- 公的データ(例:中小企業白書、日本政策金融公庫の調査データ)を活用
書き方のステップ
STEP1)全体の流れを設計
- 「現状の課題 → 解決策 → 期待される効果 → 将来展望」というストーリーを構築
STEP2)具体例を挿入
- 課題解決のためにどのようなアクションを取るのかを、実例を交えて説明
STEP3)テンプレートを活用
- 公募要領に記載されている事業計画の記載例を参考にする
よくあるミスとその改善方法
抽象的すぎる目標
- ミス:目標が「売上を増やす」だけで具体性がない。
- 解決策:具体的な数値(例:3年間で売上を20%増加)を設定。
市場分析の欠如
- ミス:市場ニーズや競合分析が不十分。
- 解決策:業界データや顧客アンケート結果を活用。
計画の実現可能性が低い
- ミス:計画が現実味を欠いている。
- 解決策:スケジュールや資金計画を具体的に記載。
まとめ
採択率を上げるためには、課題、目標、独自性、将来展望、数字の活用という5つのポイントを意識した事業計画が必要です。次の記事では、「課題設定と達成目標」の具体例と書き方について詳しく解説します。
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